小倉まちじゅうモール

小倉まちなかコラム

牡蠣×立ち吞み! 料理も豊富な北九州初のオイスター・スタンド・バー【大入堂】


こがね市場商店街の東側入り口そばに
2025年1月にオープンした大入堂(おおいりどう)は、立ち飲みスタイルのオイスターバー。そのいちばんの魅力は、九州ではここでしか味わえないという高品質のブランド牡蠣が1年中楽しめることでしょう。うまい牡蠣と豊富な料理、それに合うお酒と三拍子揃ったこの店は、その名の通り連日“大入り”の盛況ぶり。ついつい長居したくなるお店です。

圧倒的な品質と品揃えの生牡蠣が1年中楽しめる

▲「今日のブランド生牡蠣 2種盛り」は必ず食べたい一品
▲「今日のブランド生牡蠣 2種盛り」は必ず食べたい一品

オイスター・スタンドとしてオープンした大入堂は、小倉北区京町3丁目にある北九州初のオイスターバー〈Henry Colonel(ヘンリーカーネル)〉の系列店。それゆえ日本各地から選りすぐった極上の牡蠣をカジュアルに味わえるのが特徴です。

店主の中村健太郎さんは、繊細な食材である牡蠣を安心して楽しんでもらうために、日本全国の産地に自ら足を運び、その目で品質とおいしさを確かめて仕入れています。

「牡蠣を扱うにあたって、やっぱり食中毒のリスクがあるので、クォリティにはめちゃくちゃこだわっています。必ず現地に行って、牡蠣の味や質はもちろん、どんな養殖方法でつくっているのか、加工場がどんな状態かを見極めた上で選んでいます。牡蠣を扱うんだったら徹底的に知らないと僕自身も嫌だったんですよね。自分が食べたいと思うもの、家族や友人に食べさせたいと思うものでなければ提供できません。だからどんなに味や品質が良くても、たとえば加工場が汚いと思えば僕は絶対に扱いません。そこまで徹底してこだわっています」

北海道から三陸、そして九州まで、国内のほとんどの産地を見て回ったという中村さん。その中でも大分県佐伯市の“大入島(おおにゅうじま)オイスター”を、この店のメインオイスターに選びました。

「大入島オイスターをつくっている宮本さんは、農林水産大臣賞も受賞した牡蠣の世界ではすごい方。最近では全国各地の養殖牡蠣の味を競う『牡蠣-1グランプリ』でも最高金賞を受賞しました。そんな大入島オイスターを味わえるのは北九州ではうちだけ。宮本さんの紹介で全国のトップレベルの生産者とお会いすることができ、1年中生牡蠣が食べられることも知りました。そんなご縁もあって、うちの店名もその名前にあやかって〈大入堂〉と名付けたんです」

牡蠣というと、シーズンは冬場と思いがちですが、しっかりと品質管理されていることと、生産者の技術の高さが揃うことで、年中楽しむことができるのだそう。さらに大入堂では鮮度を重視して、入荷から5日以内の牡蠣しか提供しないというルールを設けています。

フレッシュで濃厚な牡蠣のおいしさを味わえる「今日のブランド生牡蠣 2種盛り」は、この店に来たならぜひ味わってほしい一品。2種類の牡蠣を食べ比べることでその違いがはっきりと分かり、それぞれの風味や味わいが楽しめます。

「たとえば三陸の牡蠣は雪解け水のミネラルを豊富に含んでいます。育った海域や育て方によって特色があり、風味も全然違います。生産者の方の努力の結晶をフレッシュな生牡蠣で味わっていただきたいですね」

そのほかにも大入堂では日によって日本各地の牡蠣が味わえます。千葉県富津市の「江戸前オイスター」は、海外からも注目されるブランド牡蠣ですが、ここ数ヶ月で契約できたのは中村さんだけだといいます。国内でも滅多に食べられない牡蠣の品揃えについて、「九州ではうちの品揃えは圧倒的だと思います」と中村さんも自信を隠しません。

日本酒、焼酎、ワインに合う豊富なフードメニュー


大入堂はスタンディングバーでありながら、フードメニューが充実しているのも人気の秘密。一つひとつ手作りの料理を目当てに食事に来る人、お酒をメインにする人と、その楽しみ方もそれぞれです。


「カウンターに並ぶのはほぼ芋焼酎です。鹿児島県の鹿屋まで買い付けに行っているものも置いています。牡蠣に合う日本酒や白ワインもたくさんあるので、ペアリングを楽しんでもらいたいと思っています」

季節限定の日本酒など、レアなお酒もあるほか、今後はクラフトジンにも力を入れていく予定。また、ランチ営業のスタートや純国産うなぎのテイクアウトなど、準備している企画もたくさんあるといいます。

オープンから数ヶ月で常連客も増え、かなりの手応えを感じているという中村さん。

「黄金にこんなに人がいるんだと、想像を超えていて驚きました。若い女性のお客さんも多く、盛り上がっていますよ。今後は再開発もありますし、建築中のマンションも多いので、まち全体が面白くなっていくと思います。周辺にもいいお店が多いし、市場という古き良き文化も残っている。黄金町はこれから発展してもっと面白いまちになっていくと思っています。この店を通じてまちに新しい風を入れられるかなと思っていて、新しいコミュニティの場、文化の場として盛り上げられたらいいなと思っています」

オーナーは地元でR&Bシンガーとして活躍

母親が黄金町で商売をしていたこともあり、地元愛溢れる中村さん。飲食店のオーナー以外にも、建設業、そしてR&Bシンガー〈J-DAD〉としても活躍しています。

中学生の頃から曲作りを始め、ストリートライブをしたりバンドをしたりしていた中村さんは25年前にデビューを果たします。長年音楽活動を続けていましたが、9年前に一緒に歌っていた仲間が他界し、そこから8年間は音楽から離れていたのだそう。

▲シンガーとしてデビューし、音楽活動25年となるオーナーの中村さん
▲シンガーとしてデビューし、音楽活動25年となるオーナーの中村さん

音楽の世界に戻ってきてほしいという声も多く、昨年秋には再始動ライブを行った際にはチケットは完売。

「41歳になって、もう一度人前に立って音楽をやることは僕にとってすごく必要なことだったと感じましたね。せっかくやるのであれば、未来につながることをやりたいと思っています」

来る5月11日(日)には北九州芸術劇場中劇場にて、「J-DADワンマンライブ PRAY」を開催します。

中村さんにとって音楽は“恩学”であり、これまで色々な人から受けた恩を、未来ある子どもたちに繋いでいくことが自分なりの恩返しだと感じているといいます。中学生や高校生とのコラボレーションや施設の子どもたち、子ども食堂に来る子どもたちなどと一緒に活動することで、子どもたちに音楽を届けていきたいと話します。

「音楽で僕の人生が変わったので、音楽を通じて子どもたちに誇りを持ってもらえるまちとしてメッセージを送れるような未来プロジェクトを立ち上げられたらいいなと思っています」

まちのこと、子どもたちのことを見据え、さまざまな角度から挑戦を続ける中村さん。たくさんの仲間に助けられてきたという思いが、この店にも、音楽活動にもつながっています。

「たくさんの人から受けた恩を、いろいろな形で未来に繋げていきたい」
大入堂 オーナー 中村健太郎 

大入堂
北九州市小倉北区黄金1-2-37
営業時間:17:00〜23:00、日曜15:00〜23:00
定休日:不定休あり
SNS:Instagram

取材・文/写真:岩井紀子

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