小倉まちじゅうモール

小倉まちなかコラム

11種のクラフトビールが味わえる北九州最大級のビアパブ【11TAP】


JR小倉駅から徒歩2分。小倉駅前商店街に建つビルの1Fにある11TAP(イチイチタップ)は、クラフトビールを常時
11種類味わえる北九州最大級のビアパブです。日本全国のブルワリー(醸造所)から選りすぐったクラフトビールは日々入れ替わり、ひと月で取り扱うビールは約70種にのぼります。行くたびに新しい味に出会える魅惑のクラフトビールの世界。ビール好きでなくとも足を運ぶ価値のあるお店です。

クラフトビールの醍醐味は一期一会の味を楽しめること

11TAPがオープンしたのは2015年の11月。今でこそクラフトビールはビール業界の中でも注目されていますが、当時はまだクラフトビールブーム前夜。クラフトビール自体がまだそんなに知られていない時期でした。店を開くにあたって「誰もやっていないことをやろう!」と考え、オーナーがビール好きだったこともあり、クラフトビールの専門店にチャレンジしたと話してくれたのは、責任者の大塚 祐貴さん。

「来るたびに違う味のビールが飲めることが、うちの最大の魅力だと思っています。当時うちほどの店の大きさで、しかもビールの生樽からタップ(サーバーの注ぎ口)で注ぐというスタイルで、11種もの数を扱う専門店は全国的に見ても少なかったと思います。

基本的に国内のブルワリーのクラフトビールを扱っていますが、開店当時は全国で300軒程度だったブルワリーが今では900軒を超えるほどに増えました。ブルワリーそれぞれに定番のビールもあるんですが、半分以上は新作ビールというほど、皆さん商品開発に力を入れていらっしゃいます。珍しいつくり方のビール、季節感のあるビールなども増え、僕らも日々“ビールの味は一期一会”だと感じています」

11TAPではオープン当初からブルワリーと直接やりとりをして信頼を築きあげ、これぞと思うビールを仕入れています。毎日11種のビールがあり、樽が空になれば次の種類のビールに繋ぐ。そうすると1ヶ月で提供するクラフトビールは約70種類になるといいます。

「早いものだと3日に1回、長くても1週間で次のビールに入れ替わります。毎日来ていただければ、1ヶ月で確実に70種類のビールが飲めます。常連さんで週に5日ぐらいのペースで通ってくれる方がいて、その方が唯一、うちのビールを全種類飲んでいるんじゃないかな(笑)」

好みのスタイルを見つけると、クラフトビールはもっと楽しくなる

▲店内のチャートとスタッフのアドバイスを参考に好みの味を見つけよう
▲店内のチャートとスタッフのアドバイスを参考に好みの味を見つけよう

11種揃うクラフトビールをより一層楽しむには、自分の好みのビールの“スタイル”を見つけることがいちばんの近道だと大塚さんは話します。

「クラフトビールには“スタイル”と呼ばれるさまざまなカテゴリーがあります。音楽で言うところのジャズやヒップホップ、ロックのようなジャンルに当たるものです。

聞き馴染みがあるところで言うと、ライトな味わいの『ラガー』。あとは『ペールエール』や『ヴァイツェン』、最近はフルーツを使った『フルーツエール』も増えていますし、ビール通の方にはしっかりと苦味を楽しめる『IPA』がお好きな方も多いですね。
もちろんブルワリーごとに味は違いますが、この“スタイル”の好みを覚えておくと楽しみやすいと思います」

▲缶のクラフトビールはお土産用に買って帰る人も
▲缶のクラフトビールはお土産用に買って帰る人も

中にはビールの中に塩を入れ、塩味も楽しめる味わいの『ゴーゼ』というスタイルの珍しいビールや日本酒の酵母を使いフローラルな吟醸香が特徴のビール、チョコミントの味がするものなど、独創的なクラフトビールも増えているといいます。シーズンごと、ブルワリーごとの香りや味わいを楽しめるのがクラフトビールの醍醐味だと言えそうです。

「この10年でクラフトビールもすごく進化しているのを感じます。ブルワリーさんも本格的な味を目指して切磋琢磨しながら上質なビールづくりをされています。特に最近は九州のクラフトビールのレベルが高くなってきているので注目していますね。ビールはあまり得意でない方や女性でも飲みやすいもの、ビール通の方にも楽しんでいただけるもの、うちではそれをバランスよく提供するようにしています」

心地よく楽しめるビアパブらしい雰囲気をこれからも


11TAPのクラフトビールは1杯880円。クラフトビール専門店では珍しい飲み放題(クラフトビール込み90分3,000円)もあるので、4杯以上飲むならこちらが断然お得。170mlの小ぶりなグラスで好きなビール3種のみ比べできる「ユアセレクト」(1,500円)でいろんな味にチャレンジするのも楽しそう。

フードメニューも充実しており、ビールのつまみにぴったりなフィッシュ&チップスやソーセージの盛り合わせなどから、サーロインステーキやパスタなど、しっかりお腹を満たしてくれるものまで揃っています。

「ビアパブなので活気のある雰囲気を大事にしていて、クラフトビールを通じてお客様との距離を縮められるようなコミュニケーションをスタッフも楽しんでいます。特にチャージ料(330円)がくじ引きになっていて、引いたくじに応じてお通しメニューを選んでいただけるのも、会話の糸口になっていますね」

▲手作り感溢れる「くじ引きチャージ」。遊び心とサービス精神がうれしい
▲手作り感溢れる「くじ引きチャージ」。遊び心とサービス精神がうれしい

くじ引きチャージのシステムは、コロナ禍にスタッフ同士で考えたアイデア。「お客様にお酒を飲む楽しさを少しでも取り戻して欲しい」と考えられました。C賞は480円のメニューから、A賞なら1,780円のメニューが選べるとあって、くじを引くお客の顔を真剣そのもの。そしてそこには笑顔が絶えません。引いたくじを使わずに集めると上位の賞にグレードアップすることもできるので、次回の来店の楽しみにとっておいたり、たまたま隣り合わせた旅行客にくじを使って料理をご馳走したりする姿も見られるそう。こうした楽しい雰囲気も11TAPならではです。

「お酒だけを飲んでサクッと帰られる方もいますし、飲んで食べて2〜3時間いらっしゃる方など、お客様の楽しみ方もそれぞれです。パブリックビューイングもしているので、野球やサッカー観戦でお客様同士が盛り上がることも多いですし、お客様同士が仲良くなってご結婚されたカップルも2組ほどいるんです。そんな様子を見るとやってきてよかったなと感じますね」

▲カジュアルな雰囲気の店内。結婚式の2次会や会社の宴会での利用も多い
▲カジュアルな雰囲気の店内。結婚式の2次会や会社の宴会での利用も多い

今年で開店10年の大きな節目を迎える11TAP。大塚さんは、店自体はこれからも変わらず、安心して気軽に立ち寄れることを目指し、来るたびに違う味のクラフトビールが楽しめる店でありたいと話します。同時に、接客を通じて自分たちの人間性も高めていきたいそうです。

「以前イベントでビールをつくったことがあって、出来がすごくよかったので、それもまたやってみたいですね。これからもクラフトビールのセレクトショップのような立ち位置で、自分たちで考えて喜ばれる楽しい店をつくりあげていきます」

「常に新しい発見があるクラフトビール。飲むほどにどんどん好きになるはずです」
11TAP 大塚 祐貴

11TAP
北九州市小倉北区京町2-7-7 ONOビル1F
TEL:093-521-5017
営業時間:17:00〜24:00/土日曜14:00〜24:00
定休日:不定休
SNS: Instagram


取材・文/写真:岩井紀子

最近の投稿

アーカイブ