赤い観覧車がシンボルの複合型商業施設、チャチャタウン小倉。中央にある大きな広場を囲むように、スーパーマーケットをはじめ、飲食店、物販店、映画館など全46店舗(2024年11月現在)が軒を連ねています。多くの北九州市民に愛されてきたチャチャタウン小倉は、2024年11月に開業から24年を迎えました。
約1年をかけて進めてきた大幅リニューアルも、この春完了を迎えます。開業以来変わらないコンセプト「ぶらぶら歩きが楽しめる路面店感覚の商業施設」を改めて見つめ直し、より一層パワーアップしたチャチャタウン小倉の魅力を、館長の田代 純夫さんと荒瀬 裕子さんに伺います。
魅力的なテナントの増強で、日常の買い物が一層便利に
1箇所で日常の買い物がすべてできることが魅力の大型商業施設ですが、チャチャタウン小倉の特徴は、なんといっても地域に根ざし、利用しやすさに特化しているところではないでしょうか。西鉄バス砂津バスセンター前というアクセスのしやすさ、1,000台を超える駐車場は購入金額にかかわらず、施設内で買い物をすれば駐車料金が3時間無料になるなど、利用客ニーズを叶えるサービスも魅力です。その証拠に、来館者のほとんどが北九州市内からのお客で、利用頻度も週1回以上利用するという人が5割を超えるといいます。
そんなチャチャタウン小倉の大幅リニューアルでは、さまざまな新店舗の出店や、人気店の増床リニューアル行われました。
リニューアル店舗
◆DAISO(2024年4月リニューアル)
日常品の購入に欠かせないDAISOは店舗を拡大。新たに若者層に人気の高いおしゃれなデザインが特徴の〈Standard Products〉とキュートなアイテムが揃うライン〈THREEPPY〉が新しく仲間入りしました。この3業態が揃うのは北九州では初めて。新しいDAISOユーザーが楽しめる商品構成となっています。


◆レガネット(2024年6月リニューアル)
西鉄ストアでお馴染みだったエリアは、産直野菜や専門バイヤーが買い付けた厳選商品などを扱うスーパーマーケット〈レガネット〉にリニューアル。

田代館長「特にオープンキッチンで調理する惣菜コーナーの充実度は好評、一人暮らしの高齢者や仕事帰りのお客に喜ばれています。また、毎週木曜には店頭で朝市が開催され、新鮮な野菜などを目当てに訪れるお客様で賑わっています」
◆サンキュードラッグ(2024年11月増床リニューアル)
従来の3倍に広がった店舗は、これまで扱っていなかった日用品や新商品なども充実し、郊外店に負けない品揃えにパワーアップしています。通路幅も広くなり、ゆっくりと買い物できるスペースともうれしいところです。

◆ペットショップP2(2024年10月リニューアル)
リニューアルで可愛い動物たちに会える楽しみも倍増。ペットをとの楽しい時間を過ごせるアイテムなど、こだわりの商品にも出会えます。

新規出店店舗




中古本はもちろん、CDやDVDからアイドルグッズまで、さまざまな商品を販売/買取する専門店BOOKOFFがチャチャタウン小倉に初登場。
荒瀬さん「お客様は普通の本屋さんとしてご利用されている印象です。ご高齢のお客様が朝早くから来店されていて、読み終えたらそれを売ってまた新しい本を買っていかれる様子を見て、SDGsにもつながっているなと思います」
目の前で揚げたての天ぷらをアツアツのままいただける揚げたて天麩羅 那かむらのオープンキッチンのライブ感も楽しめるカウンター席では、ひとりでゆっくり食事をするお客が多く見られます。
365日欠かさず開催されるイベントはチャチャタウン小倉の代名詞

チャチャタウン小倉の1F中央の広場にあるイベントステージでは、芸人ライブや音楽演奏、大道芸、戦隊ショーなど、365日毎日欠かさず無料イベントが催されています。
イベント広場もクッション性の高いゴムチップ舗装に改修され、小さな子ども連れでも安心してくつろげる、明るい雰囲気へと生まれ変わりました。
「開業以来、基本的に毎日イベントを行っていることが、チャチャタウン小倉の特徴のひとつでもあります。人気の芸人さんを呼ぶなど、毎月1回は山場となる大きなイベントを企画するようにしています。ステージが屋外なため、イベント担当としては天候がいちばんの心配ごとなので、いつもてるてる坊主を作っているんです(笑)」と話すのはイベント企画も担当する荒瀬さん。
雨が降ると開催できないイベント内容の時は、念のために別のイベントも用意。「今日のイベントはありません」という事態にならないような工夫もしているのだそう。


▲1月に行われた「あぁ~しらき お笑いライブ!」も大盛り上がり
イベントの中でも人気お笑い芸人のステージは毎回大盛況で、会場が観覧者で溢れかえるほど。これまでには、あまりの人気ぶりに交通渋滞が起きたこともあったといいます。
「毎日イベントをしているおかげか、お客様が観覧慣れしていて、特に仕切りを作ったりしなくても混乱することなく見てくださるので、タレントさんにもとても評判がいいんですよ」と荒瀬さん。
そんなステージイベントも、コロナ禍では開催できるかどうかの悩みもあったといいます。
「幸い、オープンな屋外ステージなので、密をつくらないような工夫をしながら通常の音楽、ダンスイベントはできる限り続けていました。ただでさえステイホームで気が滅入る時期でしたので、少しでも心が安らぐような楽しい時間を過ごしてもらいたいと思っていました」
心地よい陽の光のもとで行われるライブやショーは、箱型の商業施設では味わえない憩いの時間。ここで過ごす時間を楽しみにしているお客も多く、天候の良い日には、広場で食事をしたり、語り合うお客の姿も見られます。
「来館者の中には一人暮らしの方も多くて、1日のんびり過ごしたり、ここに来ることで顔見知りになった方同士でおしゃべりをしたりすることが楽しみだと言ってくださるお客様もいて、うれしいですね」
地域に開かれ、親しみを感じてもらえる商業施設として

「コロナの時期に人が集まることができないということを経験して、商業施設の役割を改めて考えたときに、やっぱりお客様がこの場所に来て、楽しそうにお店を巡って買い物をしたり、イベントやお食事を楽しんでいかれることが、チャチャタウン小倉らしさだなと再認識しました。
私たちはもちろん、うちでお買い物をしてくださることが希望ではあるんですけど、なにげなくここへ来てのんびり過ごされたり、いろんな催しを通じてコミュニティをつくって楽しんでもらったり、その人その人の使い方でチャチャタウン小倉という場所を居場所として使っていただきたいという思いがあります」と田代館長。
気軽に利用できる地元感のある商業施設であり続けるために、チャチャタウン小倉では地域と繋がる取り組みにも力を入れています。
たとえば、米町校区の夏祭りを広場で開催したり、市内小中学校や高校の吹奏楽部やダンス部などの発表会をしたり、親しみを持って足を運んでもらえる催しはその一例です。
また、木曜朝市や月に1度のハンドメイドマルシェ、年に数回行われるコスプレイベントなど、定期的に続く催しもまた、人と人とのつながりをつくる場でありたいというチャチャタウン小倉の思いをかたちにした催しだといえます。

今回のリニューアルでは小倉のまちを象徴する景色のひとつでもある観覧車のライトアップも一新しています。投光器を使って何通りも色が変えられるようになり、まちをいっそう明るく賑やかに演出してくれています。
「お子様向けのイベントも定期的にやっていますし、子どもたちが楽しめる場所も増えました。観覧車は小倉のまちとしてのシンボルでもあるので、子どもたちがいつか大人になって、『小さい頃からチャチャタウンによく行きよったよね』という思い出に残る場所になればうれしいですね。
そのためにも、これからも地域の皆さんの声聞きながら、利用しやすく、愛着のある施設であるように頑張っていきます」
リニューアルを経て、来館者も増加しているというチャチャタウン小倉。生活に根付いた商業施設として、これからも多くの利用客に愛されていくでしょう。
「幅広い年齢層が楽しめて、コミュニティが生まれる愛着のある場所になれるように」
チャチャタウン小倉

チャチャタウン小倉
北九州市小倉北区砂津3-1-1
TEL:0570-07-6363
営業時間:店舗によって異なる
定休日:なし
SNS:Facebook/X/Instagram/LINE
取材・文:岩井紀子