小倉まちじゅうモール

小倉まちなかコラム

トレンド感と遊び心でおしゃれな女性のハートを掴むブランド【Té chichi(テチチ)】

2025年2月にアミュプラザ小倉からセントシティ2階へと移転したTé chichi(テチチ)は、全国に47店舗(系列ブランドを入れると94店舗)を展開する人気アパレルブランドです。上品で女性らしいウェア、トレンド感があり日々のワードローブとして着やすいアイテムを揃えています。

日常の中でふらりと立ち寄れる、親しみを感じられるアパレルショップ

Té chichiは、母体ブランド〈SM2(サマンサモスモス)〉から派生し、2001年に誕生したブランドです。北九州では2010年に出店して以来、20~30代の働く女性を中心に支持されてきました。近年では家族で来店するお客の姿も多く見られ、母と娘、さらには親子3世代で洋服を買い求める人もいるほど、ファン層が広がっています。

「Té chichiのお洋服の魅力は、流行のデザインを取り入れつつ、着心地のよさ、そしてオン・オフ両方に対応できる商品展開です。お仕事でも使えるきれいめなアイテムから、普段着でも気分を上げてくれるトレンドエッセンスを入れたトップス、お出かけにもぴったりな上品なワンピースなど、ライフスタイルやその日の目的に合わせたアイテムが揃っています」と髙木 美喜子さん。

▲エレガンスな装いからカジュアルまで、品揃えも幅広い
▲エレガンスな装いからカジュアルまで、品揃えも幅広い

「駅ビルから駅前のセントシティへの移転で、以前の店の時代から長く通ってくださっているお客様に加え、新たにTé chichiを知ってくれるお客様も増えています。セントシティにはスーパーや100円ショップなどもあり、そうしたお買い物や用事の合間にふらっとお洋服を見に来られるお客様が以前よりも増えた印象です。嬉しいですね」と髙木さんは笑顔を見せます。

日々の生活に取り入れやすいことを大切にしているブランドだけに、去年購入した服に今年らしい1枚を足して着回す。そんな楽しみ方ができるのもTé chichiらしさと言えそうです。

ディスプレイにもオシャレのヒントがいっぱい

店内に飾られたトルソーやラックのディスプレイは、Té chichiにとっては“顔”。「さまざまなシーンを想定して、どんな方にどんな目的で着てほしいのかという思いをトルソーに注いでいます」と話す髙木さんは、自身が若手時代に先輩から受けた指導をスタッフたちに伝えていると言います。

「アパレルの仕事を始めた頃、コーディネートをつくっても『これは誰に着せたいの?』と、当時の店長に言われてすごく苦労した思い出があります。なんとなくの感覚で着せただけじゃダメなんです。例えば何歳ぐらいで、これからどこに行こうと思っているのか、ちゃんと着る人を具体的に想像して着せないとお客様には伝わらないと教えられました。最初の頃はわからなかったけど、だんだんとその意味がわかるようになりました。その経験があったから、今はさっとコーディネートをつくれるようになりました」

▲「Té chichi」はメキシコの言葉で「チワワ」という意味
▲「Té chichi」はメキシコの言葉で「チワワ」という意味

お仕事帰りのOL向け、お出かけ仕様、日常使い──。ただおしゃれに、かわいく見せるだけでなく、目的やシーンを明確にしながら、1体ごとにテーマを設定。反応が良くなければ週に何度も着替えさせるのだそう。

本部の提案をベースにしながらも地域性や天候、イベントなどに合わせてアレンジを加えていくコーディネート。「お祭りがあれば夏らしいワンピースを提案したり、この時期なら猛暑でも羽織れるシアー素材のカーディガンや、晩夏に向けて秋色Tシャツなどを提案していきます」

また店内のラックにも、コーディネートが組みやすい配置の工夫をしているのだそう。Tシャツの隣には相性のいいスカートを、その隣には別のトップス、さらにテイストやラインが異なるスカートを並べたりと、素材や色、丈感のバランスを考えた並びで、どれを組み合わせてもコーディネートが完成するように並べてあるのだそう。

そう聞いて見てみると、普段は何の気なしに見て手に取っているラックにも法則があり、いろんなアレンジができる心づかいがされていることに気づきます。

「お洋服って組み合わせは何通りもあるし正解はないんですけど、目的を想像してコーディネートするだけで見え方はまったく変わってきます。そこはこの仕事の楽しさのひとつだと思います」

「会えてよかった」と思ってもらえる存在でありたい

学生時代からアパレルの仕事を夢見ていたという髙木さんは、2001年のTé chichiの立ち上げからずっとこのブランドに関わってきました。結婚を機に関東から北九州への移住が決まった同じタイミングで小倉にTé chichiのオープンが決まり、小倉店のオープンから参加。途中産休をはさみ、今年の移転も経験、今に至ります。

「20代の頃からこの会社で働いていて、結婚や出産といったライフステージが変わってもずっと同じブランドを続けられているのは、ほんとにご縁があるなと感じています」

▲「人も好き、洋服も好き」と話す髙木さんもTé chichiファンのひとり
▲「人も好き、洋服も好き」と話す髙木さんもTé chichiファンのひとり

25年近くになる髙木さんのTé chichi人生で、忘れられない接客体験があるといいます。

「東京の国分寺の店に勤務していた頃、車椅子で来店されたお客様がいらっしゃいました。どうお声掛けしたらいいか迷うスタッフもいたのですが、私は気にせず声を掛けて、商品を広げて柄やデザイン、着丈なんかをお見せして接客しました。それ依頼、そのお客様は頻繁に来店してくださるようになって、後に『どこの店に行っても声を掛けてもらえないことが多いから、あなたに声を掛けてもらえて本当に嬉しかった』とお話しくださいました」

同じお客様を長く接客していると、そのお客の好みや、過去にどんなアイテムを購入したかも把握できるという利点があるそう。

「『これは以前買っていただいたあの商品に形が近いですよ』ということもお伝えできるし、その車椅子のお客様はファスナーが付いていないものやスナップボタンのお洋服が着やすいということもわかってきて、色々と提案を提案したり、『これは買わなくても以前購入されたものを合わせるといいですよ』というお話なんかもできる間柄になって、それもまた喜んでいただけました。
そのお客様は私が勤務する店が変わるとわざわざその店に足を運んでくださって、周りのスタッフたちもお声掛けしたりおしゃべりをするようになりました。このお仕事をする中で大切な経験をさせてくださった、忘れられないお客様です」

商品を買ってもらうことより、その人にとってより良い選択をしてもらう方が嬉しいこと、どんなお客でも相手を理解するにはコミュニケーションが大切だということを、改めて感じたといいます。「こんにちは」という挨拶から、世間話、さらには近況報告を聞かせていただく。会話を通じてお客様との関係を築いていくことが、髙木さんが目指し、他のスタッフたちとも共有する接客への思いです。

「セントシティに店が移って半年が経ちますが、ずっと前から来てくださっているお客様にも変わらずに来てもらいたいですし、新しくTé chichiを知るお客様もすごく多いので、1回目の接客をしっかりしていきたい。ここに来て『一緒にお洋服を選んでもらってよかったと』思ってくださるお客様がちょっとでも増えればいいなと思っています」

「仕事って楽しいことばかりじゃないけど、その中にふっと嬉しい瞬間がある。だからやめられないですね」
Té chichiセントシティ  髙木 美喜子

Té chichiセントシティ
北九州市小倉北区京町3-1-1 セントシティ2F
TEL:093- 482-2744
営業時間:10:00〜20:00
定休日:不定休
SNS:Instagram


取材・文/写真:岩井紀子

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