地域に愛される商店街として欠かせない恒例イベント
2023年6月3日、黄金市場商店街で「こがねふれあい夜市」が開催されました。
このイベントは黄金市場商店街のアーケードが改装された平成元年から続く恒例のイベント。ここ数年はコロナ禍で開催を見送っていましたが、今年は満を持して4年ぶりの開催となりました。 アーケード内で出店の準備が進む中、地域の人たちが徐々に集まり、18:30のスタートを前に、券売コーナーには長蛇の列が! 浴衣やドレスでおめかしした子どもたちや、中学生のグループ、家族連れからお年寄りまで、たくさんの人がこのイベントを楽しみにしていたことがわかります。
▲ゲームから飲食まで、手作りの出店は全19店。支払いはすべてお遊び券と引き換えだ
夜市では現金ではなくオリジナルの「お遊び券」を購入してお買い物やゲームを楽しみます。黄金市場商店街でお買い物をするともらえる「サンシール」の300円台紙一冊と交換できるのも、この商店街ならでは。「1黄金(ゴールド)」という券の単位にも遊び心を感じます。
手作りのゲームに目を輝かせる子どもたち
子どもたちのお目当ては、商店街らしい温かみのある手作りゲームの出店。射的や輪投げ、ヨーヨーつりなど、懐かしいゲームに夢中になる小さな子どもたちの歓声が商店街に響きます。子どもたちが安心して楽しめることは、地域のちいさなお祭りの魅力のひとつ。小学生や中学生のグループが、券を片手にフライドポテトやかき氷を買い回る微笑ましい姿もありました。きっとこの夜市での楽しい思い出は、一生彼らの記憶の中に残ることでしょう。
気がつけば、商店街はたくさんの人でにぎわい、すれ違うのも大変なほどの盛況ぶり。お客さんを呼び込む商店街の人、偶然会った知り合いとビール片手に語り合う人、孫の手を引くおじいちゃん、ゲームを楽しむ子どもを見守るお母さん、みんな笑顔で楽しそう。地域に根ざす商店街らしい、おだやかな空気が流れていました。
地域交流の場である商店街の底力
商店街は“買い物をする場所”というだけでなく、“地域の人が交流する場所”としての役割も持っています。特に黄金市場商店街のように地域に密着した商店街では、人と人とのつながりが商店街の賑わいを支えているといえます。
「こがねふれあい夜市」では、商店街で働く人に加え、普段から交流している企業や学生たちが出店スタッフとして参加していました。
古くから商店街との交流がある三萩野女子高等学校は、商業科の生徒たちが出店のスタッフとして参加。北九州市立大学からは、月に1度、商店街で学生喫茶を運営している学生たちがワッフルを販売。そのほかにも小倉けいりんや福岡ひびき信用金庫など、多くの人が縁の下の力持ちとして夜市を支えていました。
ふれあい夜市の他にも、七夕や節分といった季節の行事のほか、バーベキューやお料理教室といったイベントも多く開催している黄金市場商店街。地域の人が笑顔で交流でき、商店街での楽しい思い出をつくることは、まちの文化をつくることだともいえます。
大盛況で終わった「こがねふれあい夜市」。世代を超えてまちに愛される商店街を支える人たちの地域愛が詰まったイベントでした。
取材・文/写真 岩井紀子